イモムシくんとアゲハさん

イモムシとアゲハチョウは、かつて別々の生きものだったそうです。

イモムシくんは、いつか空を飛べたらいいなあと願っていました。
「いつかアゲハチョウのようになりたい」

一方、アゲハさんは、空を飛ぶための特訓をしていました。
小さな羽はぼろぼろになり、飛べなくなると、
他の虫に食べられてしまいます。
「大人になるまでにボロボロになってしまう羽なんていらない。イモムシみたいに、葉っぱを食べて暮らしたい」

イモムシくんが歩いていると、羽を傷めたアゲハさんと出会いました。
アゲハさんは、食べられるんじゃないかと怖くなりましたが、
イモムシくんは葉っぱしか食べないから安心してね、と言いました。

アゲハさん、僕たち一緒になれば、いいんじゃないかな?
それはどういうこと? イモムシくん。

羽がボロボロになってしまうなら、大人になってから羽を伸ばせばいい。それまでは、イモムシの姿で生きるんだ。
それはいい考えね、イモムシくん。一緒になりましょう。

イモムシくんとアゲハさんは、一緒に暮らし始めました。
やがて子どもが生まれました。

イモムシの姿をした子どもは葉っぱをもりもり食べ、あっという間に大きくなりました。
ある日、子どもが突然、殻にこもり、じっとして動かなくなりました。

イモムシくんとアゲハさんは心配しましたが、子どもは「大丈夫だよ。心配しないで。10日間だけ待っててね」と言いました。
10日後、子どもはイモムシの姿からアゲハチョウの姿に変わり、殻の中から出てきました。

お父さん、お母さん、ここまで育ててくれてありがとう。
僕はこれから、お父さんとお母さんのことを世の中に広めていくよ。
そしたら、イモムシもアゲハチョウも、みんなが幸せになる。僕みたいにね。

子どもはそう言って、大きな羽で飛び立ちました。
それを見たアゲハチョウは、どうやってそんなに大きくなったの? と尋ねました。
子どもはイモムシのお父さんと、アゲハのお母さんのことを話しました。

その話はあっという間に広まり、毎日のようにイモムシとアゲハチョウの結婚式がおこなわれました。

こうして、すべてのイモムシとアゲハチョウがひとつになり、イモムシとアゲハチョウは同じ生きものになったそうです。

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