Audibleが定額制→コイン制に変更、それでも聴き続けるべき?

読書

オーディオブックとは?

オーディオブックをご存知ですか? オーディオブックは、本を読むのではなく、ほんの朗読を聴くサービスです。オーディオブックという単語は知らなくても、昔ながらのラジオドラマや、ドラマCDと同じようなものと考えると理解しやすいでしょう。 私が初めてオーディオブックを知ったのは、iTunes Store(当時はiTunes Music Storeでしたね)のオーディオブックでした。いくつか買ってみたのですが、当初は音質が悪く、一冊あたりの値段も高く、あまり良いイメージがありませんでした。今も「iBooks」で電子書籍とオーディオブックが購入できますが、それほど盛り上がっていないようです。 その後、オーディオブックを聴く機会はなく、私は主にラジオやポッドキャストを聴いていました。しかし、2015年のAudible上陸後、オーディオブックの存在が再び気になり始めました。

オーディオブックは「耳で本が読める!」

オーディオブックの圧倒的なメリットは、なんといっても「耳で本が読める!」という点に尽きます。 私は子供の頃からファミコンやゲームボーイを遊びすぎたせいで目が悪く、大人になってもデスクワークが多かったため、とにかくいつも目が疲れています。読書は好きなのですが、どうしても目がしょぼしょぼしてしまい、本は年に数冊しか読めなくなっていました。 その点、オーディオブックは いつでもどこでも本が読めるのです。通勤途中の車の中、電車の中、散歩やジョギング中、お風呂に入っているとき、寝る前など、あらゆる場所が読書スペースになるのです。素晴らしい! ずっと読書をしたくてもできなかった私にとって、オーディオブックは最高のサービスなのでした。 iPhone単体では音量が小さくて聞き取りづらかったのですが、iPhone 8 Plusに機種変更してからは、スピーカーの音量が大きくなりました。そのため、Bluetoothオーディオトランスミッター経由でカーステレオにつなげなくても、iPhoneのスピーカーだけで十分に聞き取れるようになりました。

革命的なオーディオブック「聞き放題」

1995年に創業したAudibleは、その後Amazon傘下となり、日本では2015年からサービスが始まりました。世界初の「オーディオブック聴き放題」という画期的な内容ですから、オーディオブックファンは歓喜したことでしょう。 サブスクリプション型(月額定額制)のサービスは、使いたいときは契約して、使わなくなったら気軽に解約できます。Audibleも同様に、契約と解約を繰り返していましたが、2018年の春から本格的にオーディオブックにはまり始めました。とくにここ数ヶ月は、暇さえあればオーディオブックを聴く習慣ができていました。7月以降は毎月30時間ペースで聴いています。「Audibleのオーディオブックをすべて制覇するぞ!」くらいの気持ちでいたのですが、ある時、Audibleから衝撃の通知が届きました。

Audibleは「聴き放題」から「コイン制」に変わります

「既存のオーディオブックは、2018/08/27 までしか聴けません」とのこと。突然のメールに驚きを禁じ得ない私。「聴き放題が終了? コイン制ってどういうこと? これまでダウンロードした本はどうなるの?」さまざまな疑問が浮かびましたが、Audibleはそれらの答えを既に用意していました。

現在の会員特典

  • 対象タイトルが聴き放題。タイトルは購入しないので、退会後はアクセス不可。

新しいコイン制の会員特典

  • 毎月1つ付与される「コイン」でお好きなタイトルを購入。(これまでダウンロードした本はすべて消えます)
  • 購入したタイトルは退会後もあなたのもの。(これまでは購入という概念がなかった)
  • 聴きはじめてからでも返品・交換OK。(ただし交換回数には制限あり)
  • 追加料金なしで楽しめるショートコンテンツも。(これは気になります)
  • お持ちのコインを使い切っても、会員であれば、追加でタイトルを定価の30%OFFで購入可。(つまり非会員でも定価で購入できるということ)

これまでは「1500円払えば一ヶ月間はどれでも聴き放題」というシンプルなものでしたが、今後は「1500円で会員になればコインを1枚あげる。それで好きなタイトル1冊と引き換えだ。理由があれば、返品も受け付けるよ。コインがなくても会員なら割引価格で買える。会員じゃなくても定価で買えるよ」という形になります。 なお、既存の会員がサービスを継続すると、以下の3つのボーナス特典があるようです。

  1. コイン制での30日間無料体験(8/28から30日間は無料期間となるそうです)
  2. ボーナスコインをプレゼント(最初の3ヶ月間はコインが2枚ずつもらえるようです)
  3. 8月中に最後に聴いたタイトルをプレゼント(最後に聴いていた本がもらえるようです。悩みますね……)

その他の変更点

サービス内容が大幅に変わったAudibleですが、他にも変更点があるようです。

  • タイトルが大幅に増える(これまではそれほど多くなかったのですが、これからは一気にタイトルが増えるそうです)
  • iOSアプリからは購入不可(これは残念ですが……)

既存ユーザーにとって一番の変更点は、iOSアプリからオーディオブックの購入ができなくなることでしょう。これはAppleによる規定なので、デベロッパーにはどうすることもできませんから、諦めましょう。とはいえ、iOSでもSafariやChromeでAudibleのサイトにアクセスすれば、普通に購入できるわけですから、そこまで手間ではないですね。

「コイン制」になってもAudibleを続けるべき?

話を戻すと、「聴き放題じゃなきゃ嫌だ!」という人は、Audiobook.jpに移行するしかありません。オーディオブック業界では老舗ですから、良い選択だと思います。

私はオーディオブックの素晴らしさを知ったので、「せっかく耳で本を読む習慣がついたのだから、これからは毎月1、2冊程度でも良いから、オーディオブックを聞き続けよう」と思っています。

月額1500円でオーディオブック1冊は割高?

月額1500円を払って、オーディオブックが1冊しか買えないのは高く感じますが、そもそもこれまでが異常な安さだったと考えなければなりません。 オーディオブックの相場は、古い作品で1冊500円〜1000円、それ以外は1000円〜2000円程度と、けっこう高いです。audiobook.jpで読みたい本の価格を調べると、だいたい1500円前後ですから、Audibleの月額1500円は、高くもなく安くもない、妥当な価格ということになります。

Audibleは非会員でもオーディオブックを購入できるようになりますが、私が非会員で単体で1500円のオーディオブックを買うことは、多分ないと思います。なんだかものすごく高く感じるからです。しかし、「月額1500円払ってくれれば、好きな本と1冊交換しても良いよ」と言われたら、そんなに高くないように感じるから不思議です。(私が馬鹿なだけかもしれません)

なぜAudibleは定額制をやめたのか?

なぜAudibleは定額制をやめざるを得なかったのでしょうか。ずばり、採算が合わなかったのでしょう。Audibleは世界中でサービスを提供していますが、コイン制を導入している国が多いようです。 日本人は本が好きですから、Kindle Unlimitedのサービス開始当初、漫画が読まれすぎて大問題になったことがありました。Audibleはそこまでユーザーが多くなかったと思いますが、「このサービスはお得すぎる!」と気づいた一部の人たちが熱心に聴いていただけのような気がします。

オーディオブック制作には時間と予算がかかる

加えてオーディオブック制作に予算がかかることも、定額制を廃止することになった要因でしょう。 オーディオブックは短くても1、2時間。長いものでは10時間以上の作品もあります。ということは、声優さんやナレーターを、丸一日拘束しなければなりません。10時間超の作品では、数日間拘束する必要がありますから、ギャラだけでも結構かかりそうです。スタジオの音声・ミキサー担当などの人件費もかかるでしょうから、オーディオブックが書籍よりも高くなるのは当然です。

だから、Audibleは新作の配信が少なかったのでしょうね。Apple Musicのように、何千万人というユーザーがいれば別ですが、オーディオブックはまだまだニッチな市場ですから、聴き放題サービスが成り立つ環境ではなかったのですね。無料で聴けるポッドキャストすら、あまり盛り上がっていないのですから、月額1500円のAudibleを聴く人はどれくらいいるのでしょうか。サービス開始から3年で聴き放題がなくなってしまった背景には、このような事情があったのだと考えられます。

さらば、そしてありがとうAudible!

結局、Audibleがコイン制になった後はサービスを解約しました。今はAudiobook.jpでオーディオブックを単品購入するか、ときどき750円の聴き放題サービスに加入して楽しんでいます。

Audibleの聴き放題サービスが終了する直前の私のiPhoneには、131冊のオーディオブックが入っていました。「今日はどれを聴こうかな?」と考えるだけで楽しい日々でした。でも、幸せな日々は長くは続かないものなのですね……。

コイン制となったAudibleで、月額1500円だけで本を揃えようと思うと、1年で12冊、10年で120冊ですから、10年以上かかるのですね。わずか数カ月で131冊を揃えることができたAudibleのオーディオブック定額制は、史上稀なお得なサービスだったと言えましょう。残念ですが、仕方ありません。ありがとう、Audible!

参考リンク